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AniFav スペシャルの一覧へ戻る 更新日:2013年12月31日 18時01分

『のんのんびより』川面真也監督インタビュー「日常、ファンタジー、にゃんぱすー」(前編)(2)

ライター:
高瀬司(聞き手・構成)、前田久(聞き手)

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(……続き)

――具体的にはどのような工夫をなされたのでしょうか。


『のんのんびより』キービジュアル川面:
例えば人工物の描き方を観てみてください。一口に田舎の風景とは言っても、『のんのんびより』のそれは壮大な大自然が広がっているようなものではなく、きちんと生活感の感じられる場所にしたいと思っていて、そのために画面のどこかには必ず電柱やガードレールといった人工物を入り込ませているんですね。ただそれをフォトリアルに表現すると、四角くカクカクした形になってしまうので、ここではそうではなく角に少し丸みを帯びさせているんです。色調の面でもリアルなビビッドカラーではなく、やや柔らかみのある色合いを選んだりと、画面を見て電柱だとわかってもらえれば良いくらいのバランスで描いてもらっています。
 山や木といった自然も同様ですね。山の見え方というのは地域によって全然違っていて、例えば秩父の方では杉の濃い緑色が強く、見た目にズンと重い感じがするんですよ。それに対して千葉では広葉樹がこんもりとしていて、ブロッコリーのような形で低い山々が連なっていた。僕が受けたニュアンスですが。他は知らないのですが。『のんのんびより』では具体的な“聖地”は決めないようにしていますが、モデルとする背景は、今の例で言えば必ず低い山の方を選んでいます。自転車で行ったら十分くらいで着きそうな丘みたいな山。目指したのはそういう可愛さのイメージですね。

――「リアルな田舎」ではなく「ファンタジーとしての田舎」として、可愛いらしさ付け加えられたということですね。とはいえお話を伺っていると、かなり緻密な取材やロケハンをされたご様子ですが。

川面:ロケハンも行いました。リアルな田舎を描こうとしたわけではないですが、当然ある程度それらしくはなければいけないので、東京、千葉、埼玉の奥の方をはじめ、和歌山と新潟といくつかの町を実際に巡っています。特に映像として演出するには、いわゆる観光地のようなパブリックイメージ通りの絵や、新幹線や高速道路を走っているときの車窓から見た遠巻きの景色ではなく、自分がその場所に立ったときに見える景色や、生活する人の息づかいといったものを肌で感じることが重要になると思うんですよ。なので基本的にはリアルな景観をモデルとしながら、しかしその中にある「可愛らしい」部分を組み合わせたりアレンジしたりして、リアルとファンタジーのバランスを調整していくようにしています。
 その点での一番のメルクマールが、第1話の「牛横断注意」の標識ですね。「鹿注意」や「熊注意」の標識ならよくありますけど、「牛横断注意」なんて滅多にない。その辺りから作品の世界観を感じ取ってもらえたらうれしいですね。

――背景を巡るそのバランス感覚は、これまでの日常系アニメの中でもであるようでなかった珍しいものなのでは。

川面:そうした差別化は意識していました。フォトリアルな背景や、可愛らしさを強調したものですごい作品はもうたくさんあるので、そうではないまた別のところを目指そうと。それに原作はしっかりと笑わせてくるギャグマンガでもあるので、可愛いものだけを描いていては原作の味を損なってしまう。ギャグはギャグ、物語は物語できちんと描いていきたかったんです。

■心情に寄り添う時間

――物語面では、基本路線としては原作を踏襲しつつも、全体としてエピソードの並び替えがありますし、第1話の展開ではオリジナルの肉付けも目立ちました。シリーズ構成の吉田玲子さんは日常系とも親しみのある作家さんでもありますが、どのような打ち合わせをなされたのでしょうか。

川面:吉田さんからはシリーズの軸として、第1話で東京から田舎に来た蛍の心情が、最終話では少し変化している様を描いてみてはどうかというご提案をいただきました。蛍だけが主人公というわけではないのですが、蛍の成長劇という要素を組み込むと物語が立つのではないかと。

――第1話でオリジナルエピソードとして強調されていたのも、蛍と田舎との関係性を巡るものでしたね。引っ越してきたばかりの田舎での生活に戸惑いを感じはじめた蛍が、桜餅のエピソードを通じて前向きに変わる。クラスプレートの演出も光る一幕でしたが、こうしたオリジナル展開はどのようにして生まれたのでしょうか。

川面:桜餅のエピソードは吉田さんからご提案いただいたものですね。基本的な構成を吉田さんに作っていただいた後、みなで相談をして詰めていきました。また、あっと先生にも毎回本読みに出ていただいていて、キャラクター紹介からはじまる原作の第1話をアニメでは第2話に回し、アニメの第1話は何の説明もなしに村での日常が描かれはじめるという構成にはあっと先生の意向も反映されています。それによっていわゆるわかりやすさは若干減ったかもしれませんが、その分、描写を丁寧に組み立てることで伝わるように意識しました。

当たり前の描写を当たり前に、なるべく高い精度で描き出そう

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