日本最大級を目指すアニメポータル「AniFav」人気アニメランキング、今期のアニメ情報をお届けします。

日本最大級を目指すアニメポータル「AniFav」独自の人気アニメランキングと今期放送中のアニメ紹介を軸に、充実した読み物をお届けします。

324804

AniFav スペシャルの一覧へ戻る 更新日:2013年09月25日 21時36分

アニメ『きんいろモザイク』シリーズ構成・綾奈ゆにこインタビュー「百合というより、姉妹とか家族に近い関係」(前編)

ライター:
前田久(聞き手)、高瀬司(構成)

5743
views

アニメ『きんいろモザイク』シリーズ構成・綾奈ゆにこインタビュー「百合というより、姉妹とか家族に近い関係」(前編)

「まんがタイムきららMAX」(芳文社)にて絶賛連載中の原悠衣による同名萌え4コマを原作とするTVアニメ『きんいろモザイク』。外国好きな大宮忍、忍の家にホームステイするイギリス人少女アリス・カータレット、クラスメイトの小路綾と猪熊陽子、アリスの幼なじみ九条カレンの5人を中心に繰り広げられる、何気ない日々の断片を、光り輝くモザイクのように紡ぎ上げる珠玉の日常系アニメだ。

今回AniFavがインタビューを敢行したのは、本作のシリーズ構成を担当する綾奈ゆにこ。少女たちの愛くるしい掛け合いを得意とする綾奈は、ヒロインたちの日常にひそむ魅力をいかにして照らし出したのか。制作の裏側や、作品にかける想いまで、愛情たっぷりに語っていただいた。(全3回)

■綾奈ゆにこ プロフィール

脚本家。『きんいろモザイク』シリーズ構成。他シリーズ構成担当作品は、『電波女と青春男』『堀さんと宮村くん』。各話脚本での参加作品に『青い花』『世紀末オカルト学院』『セイクリッドセブン』『人類は衰退しました』『好きっていいなよ。』など。



■頬がゆるゆるになってしまう

――まずはじめに綾奈さんが『きんいろモザイク』のシリーズ構成を担当されることになった経緯から伺わせてください。

アニメ『きんいろモザイク』キービジュアル綾奈:メディアファクトリーの河本(紗知)プロデューサーに「女の子が可愛い作品があるんですけど、どうですか?」と声をかけていただきました。企画書にプリントされた原作の忍たちがすごく可愛いかったのと、「この作品に合いそうだ」とシリーズ構成の候補に選んでいただけたのが嬉しくて、詳細を何も聞かないうちに「やります!」と答えました。それから原作を読んだのですが、1巻の冒頭4コマを目にした瞬間、これは絶対に好きな作品だと確信して。読んでる間ずっとにやにやしっぱなしで、頬がゆるゆるになってしまって……なんて幸せになれる作品なんだ、と感銘を受けました。原作を読んだ時に感じた心地よさや可愛いらしい雰囲気を、そのままアニメにしたいなと思いました。

――女の子同士の魅力的な会話劇は、綾奈さんの得意とするところですよね。『夏色キセキ』や『アイカツ!』で脚本を担当された話数でも、何気ないやりとりがとても楽しくて。『きんモザ』のコミュニケーション描写も、本当に活き活きとしていて、どれも印象深かったです。

綾奈:まず原作がそうなのですが、みんなが本当に活き活きとしてますね。ボケ・ツッコミがすごく良い。会話のテンポ感が心地よくて、脚本を書いててもすごく楽しかったです。ある場面ではツッコミの子が、他の場面ではボケになったり、同じ子でもそのとき一緒にいるメンバーによって色んな表情を見せてくれる。個人的には、忍たちが本当に生きている感じがするというか……“キャラクター”には見えなくて。原作の担当編集さんは、「まんがタイムきららMAX」誌上では「キャラクター」という言葉を使わず「彼女たち」「ヒロイン」という言い方をして、本当に大切にされているそうです。愛ですね。
 アニメの放送が始まって、動いて喋るアリスたちを見たら、元々好きだった彼女たちがもっと好きになりました。最近は、自分でも心配になるくらい大好きで(笑)。なぜこんなに好きなのかを考えたのですが、みんなが他人のことを思いやれる“いい子”だからかもしれません。その思いやりは、時に相手の求めている言動ではない場合があって、特にアリスは忍の言動にショックを受けたりすることも多いのですが(笑)。忍はちゃんとアリスのことを想っているし、アリスも忍のことを想ってる。天真爛漫で周囲を巻き込むタイプのカレンも意外と気遣い屋さんで。みんながお互いにみんなのことを考えている……そんな5人だから、こんなにも好きなのかなと。

――他方で、キャラクター……もとい登場人物主導の作品ですと、各話で物語の起伏をどのようにつけるかですとか、シリーズとしてみたときの構成の面で苦労された点もあったのではないでしょうか。

綾奈:そうですね。ただ毎週やるものだからといって、無理に毎回の引きを作ったり、この子たちの成長を中心に描いたりというのは、『きんモザ』には必要ないというか、相応しくないですよね。最初は、もっと異文化交流を描こうという案もありました。アリスが毎回、イギリスとのちょっとした違いを見つけて「日本ってこうなんだ!」と言うような。例えばエスカレーターではどっちに寄るかとか、そういうちっちゃい発見をアリスが積み重ねていって、少しずつ少しずつ変わっていく。そういう成長を織り込んでいくのはシリーズとしては有りかなと思った時期もあったのです。
 でも途中で、この作品が異文化交流がメインじゃないことに気づいて。この子たちを通して日本やイギリスの文化を描くのではなく、あくまでもこの子たちの目を通して見た“日常”を素敵に描けばいいんだ、と……その考えに至った根拠が、今、ちょっと言葉として出てこないのですが。きっかけが、2巻の帯に書かれた「イギリスからやってきたあの子は、今日も私の隣にいます」という文章だったのは覚えています。「一緒にいられて嬉しい」「一緒にいるから楽しい」という気持ちが、この作品の一番大切なところだと思います。(※)

■第4話までは絶対観てほしい

――各話のエピソードへも踏み込んでいきたいのですが、第1話がいきなり、原作の細部を大きく膨らませた実質アニメオリジナルとも言える、忍とアリスの出会いを描いたイギリス編で大変驚かされました。

『きんいろモザイク』第1話イギリス時代綾奈:最初に天衝監督が「イギリス編をやろう」と提案されました。それは面白いなと思ったのですが、そもそも原作にホームステイ話が3コマしか無くて。「モザイクのかけら」(単行本1巻が発売された時に抽選で100名にしか送られなかったレアなファンブック)に載っていた数ページの短編を含めても全くネタが足りない。原作で描かれていないアリスと忍が仲良くなる話を、自分が果たして書けるのかと最初はとても不安でした。
 原作の原先生にアイデアをいただけたのは本当にありがたかったです。4コマのネームを8本もいただいてしまいました。忍とアリスが玄関先で初めて対面するシーンや、忍がアリスを「金髪少女!」と追いかけまわすシーン、忍が福笑いや百人一首のことを知らず「本当に日本人なのか」と疑われるといったネタは全て原先生です。それらを散りばめてプロットを考えました。ホームステイ経験はおろかイギリスにも行ったことが無かったので、テレビの旅番組を見たり、図書館に通って本を沢山読んで……意識を高めて(笑)、なんとか書けました。

――あの第1話はアニメから入った視聴者と原作ファン、その両者に対して効果的な導入だったと思います。非常に良いつかみになっていたなと。

綾奈:そう言っていただけると嬉しいです。やっぱり出だしは大事ですよね。特に第4話までは絶対に観てほしいという気持ちがあったので、そこまでの構成には神経を使いました。第2話で綾と陽子が本格的に加わり、第3話でカレンが登場して……と、毎回、目新しさがあるようにして、4話は最後に、ちょっとだけアリスの成長なんかも入れたり。なぜ第4話までが目標だったかというと、最初に原作を読んだとき、綾と陽子の間に新しい関係性が出てくるラブレター話から、さらにもう一段階ぐわっとはまってしまったので、そこまでは何としても観続けていただきたかったのです。
 あともう一つ気を付けていたのは、その回が何の話か、なるべく言えるようにしようということですね。色んなエピソードが入っている回もありますが、ざっくりと「今回は夏休みの回」とか、「今回はカレンが出てきた回」とか、特徴がわかるようにと考えながら構成を立てました。

(※)追補

【編集部より:インタビュー収録後に、綾奈さんからメールで発言を補足するコメントをいただきました。本文と合わせてお楽しみください。】

『きんいろモザイク』コラムシリーズ構成を考える過程で、「異文化交流における日本の再発見」や「アリスが日本を知っていく成長もの」という枠付けをなぜやめたのか?

それは、この作品が単純な文化の違いの話ではなく、コミュニケーションの話であると気づいたからです。

この作品におけるアリスって、多分、金髪少女以外の何者でもないんです。
(だからアリスは、マンガの第1話で日本語を話せる状態で編入してくる)

言葉や文化の違いって、なにも外国人同士だけのことではなく、同じ日本人の間でもあって。
忍とアリス、綾と陽子のすれ違い、カレンに振り回されるみんな……といったことは、なにも日本人とイギリス人の話だから起こっていることじゃない。もっと広い……人間と人間の話なんです。

中編に続く

©原悠衣・芳文社/きんいろモザイク製作委員会

アニメ『きんいろモザイク』Blu-ray&DVDvol.1 好評発売中!
きんいろモザイク Vol.1 [Blu-ray]
きんいろモザイク Vol.1 [Blu-ray]

【記事へのご意見・お問い合わせ、情報のご提供などは info☆anifav.com(☆を@に)までお気軽にお寄せください】
【最新情報はTwitterでもチェック!→ @anifav
【随時更新】2013年10月のアニメ新番組情報まとめページはコチラ!


この特集に関するコメント

みんなのコメント0 コメントする


画像の中に見える文字を入力してください。

コメントの反映には1時間ほどお時間がかかります。

AniFavライター陣による渾身のコラム連載
ページトップへ